「おおきに」は” very ”
生粋の京都人ともあろう私が、ついこの間まで知りませんでした。京都人失格です。
「おおきに」という京言葉。普段は私の祖父母や舞妓さん・芸妓さん、京都らしいお店の店員さんくらいしか使わないこの京言葉でも、今年の祗園祭で私が屋台のお手伝いをしていた時には、その雰囲気に合うと思い、「おおきに」「おおきに、ありがとう」と使っていました。
京都の方ではなくても、私と同様「おおきに」とは「ありがとう」の意味であると解釈されている場合が多いかと思います。 間違いでは無いのですが、この言葉は「たいへん(very)、ありがとう」の略なのです。「おおきに」とはたいへん、たいそう、とても、たくさん、の意味を持つ副詞だったわけです。普段は「おおきに」だけで交わされる事が多いので、私はずっとその事を知らずにいました。
また、この京言葉は"yes","no" の両方の意味ももっているややこしい(これは「使える京言葉」です。難しい、やっかいな、という意味。後々紹介致します)言葉でもあります。 フランス語の ”merci”と似ているのです。
例えばあなたが知り合った舞妓さんをデートに誘った場合。 「おおきに。」と返事をくれました。 今度の週末なら空いているよ、とさらに具体的に話を進めようとした際、彼女が「おおきに。ほな(それじゃ)今度の日曜・・・」と言ってきてくれたら 、それは乗り気であるということ。”yes”です。 でも「おおきに。」と軽く会釈しただけで続きの言葉が無ければ、それは ”no”。 「誘って頂いて有難うございます。」という相手を傷つけない為の挨拶、相槌なのです。うーん、ややこしい。
でも誰だって知り合ってばかりの相手とは、よっぽど親しくならない限りはすぐに二人で、となると気後れするものです。 ましてや舞妓さんは数多くのお客の相手で大忙しの、接客のプロなのですから全ての方々とプライベートなお付き合いができるわけでもありません。 彼女達の場合は特にもっとお互いに仲良くなってから誘う方が良いでしょう。
「おおきに」は状況によっては使える言葉。 ただしイントネーションは現地人に特訓してもらうべし。
応用 :お誘いを受けたとき、「おおきに」を使わなくても「ありがとう。今日はこれこれこういう用事があって…」(まだ先の話なら「ありがとう。」だけでもよい)という言い回しをすればちょっと京風。
例文 :コンビニの店員ならばあまり使えないが、京都の雰囲気ある茶店なら
店員「○○円になります。」
客「おおきに。ご馳走さんでした。」
店員「おおきに。ありがと~。」
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